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９７年にコーチングが日本に入ってきたときに、コーチ２１で学び始めたのですが、その当時「パーソナルファウンデーション」というプログラムがありました。
例を挙げると「健康」、「人間関係」、「お金・仕事」「身の回りの環境」などの分野において、日常生活の問題に取り組むプログラムが掲載されていて、とても私にとっては魅力的なテキストでした。
しかし、読めば読むほど、当時は理解が出来ませんでした。
何か魅力を感じるのですが、行動しても効果が感じられないし、他人に説明できないし・・・。
これをやることで何がいいのか理解できませんでした。
しかし、このファウンデーションについて、はっきりと理解できる日がやってきました。
それが、６年後の２００３年の夏で、前回書いた、お寺との出会いです。
その当時、コーチとして独立することを決めていたのですが、私が、独立して本当にコーチとして成功出来るかどうか不安でした。
それは、私がやりたいパーソナルコーチングがまだ日本では普及されるまでには至っていなかったからです。
なんとか日本人にあった独自のコーチングの手法を開発しなければ、今後、成功しないのではないかと考えていた時期でした。
そしていろいろなことを考えたあげく、お寺にヒントを探しに行くことを思いつきました。
それは、日本人の心中は、昔から日本にあるお寺に行くことでヒントが得られるのではないかと思ったからです。
たまたまインターネットで調べたら、家から10分ほど行ったところに専光坊という室町時代から続く、一般の人が修行出来るお寺がありました。
後から分かったことなのですが、そのお寺は内観で有名なお寺で、ニューヨークタイムズにも掲載されたことがあり、アメリカ、ブラジル、オーストリア、ドイツなど各国からの哲学者や宗教者があつまるお寺でした。
そこのお寺の和尚さんが説法でおっしゃっていた「引き算の法則」「真理はすで空中に飛んでいる」の言葉から大きなヒントを得、お寺での生活自体に人間の内側に眠っている本質を引き出す仕組みがあったことに気づきました。
お寺では何もしません。ただ単に、朝５時に起きて、ご飯を食べて、掃除をして、テーマについて考えるだけです。和尚さんは黙って１時間半ごとに考えたことを聞いてくれるだけです。ほとんどアドバイスをしません。それの繰り返し。そんな生活の中で暮らしていると、自分の内側から必要なことが湧き上がって、いろいろなことに気づくのです。
「あ〜、これが、『答えはその人の中にある』ということなんだ！」と実感できました。
やっぱり、あるんです。自分自身の中に答えが。
人間は本来、自分の本質について、「何をしたいのか？」とか、「これからどうやっていけばいいのか」ということについて、自分自身の中に答えを持っていて、それに気づくことができるようになっているのです。
しかし、時間に追われたり、人間関係で傷ついたり、健康を害したり、お金の不安があったり、やることが多かったり・・・などの要因により、本当に大事な心の声を聞けなくなっています。
なので、生活に関すること、特に「健康」「人間関係」「身の回りの環境」「お金･仕事」の４分野について整理整頓【シンプルに】することで、本来の自分の本質が見えてきます。
何か知識をつけたり、技術をつけたりという『足し算』でなく、自分の中から、いらないものを削って整理して行く『引き算』をしていくことで、本当の自分自身、本質に出会うことができるのです。
お寺での修行はそのような気づきを私に与えてくれました。
その考え方こそが「ファウンデーション（自己基盤）」だったのです。
生活をシンプルにしてファウンデーションを整えることで、自分自身の本質が見えてくる。そうなることで心の声が答えを導いてくれるのです。
この件以来、自分のコーチングの方向が大きく変わりました。
私はコーチとして、クライアントさんのファンデーションにおける問題点がすぐに分かるようになりました。
クライアントさんは、どの方も目標を達成できる能力があるのも見えてきました。
でも何かが出来ていないとしたら、ファウンデーションの問題で、いい環境が作れていないだけなのです。
ビジネス上の目標があったとしても、やることは自分の感情の日記付けだったり、起業することが目標の人も、目標に向けてやることは5時起きと皿洗いだったりするわけです。
自分の自己基盤を上げていけば、自然と目標が達成されていきます。
本当に、不思議なコーチングです。
特別なことをする必要はないのです。生活をシンプルに楽しめばいいのです。
自分の本質に従って。
私は、このことについて理解できてから、人生が楽になりました。
そして、私もクライアントさんも人生が一気に飛躍したように思います。
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